18日、東京ヴェルデ パチンコ場ではクラシックへの登竜門・東京スポーツ杯2歳S(G2)が行われる。
過去10年の出走馬の中には、無敗の三冠馬コントレイルや、現役世界最強のイクイノックスのほか、G1・3勝馬のタイトルホルダー、ダービー馬ワグネリアン、G1・2勝のスワーヴリチャードなど実に13頭が後にG1を勝っている。そんな超がつく出世レースに今年は、キャロットファームとサンデーレーシングの所有馬が多数、集結する予定だ。
まずキャロットFが送り込むのはヴェルデ パチンコとヴェルデ パチンコの2頭だ。
ヴェルデ パチンコ(牡2歳、栗東・藤原英昭厩舎)は、総額7000万円で募集されたハーツクライのラストクロップの1頭で、8月の新潟芝1800mで行われたデビュー戦で、単勝オッズ1.3倍の断然人気を集めると、好位からメンバー最速タイの上がり33秒4の末脚を使って難なく勝ち上がった。
手綱を取った松山弘平騎手は「スタートが良かった」「道中はしっかりと折り合って我慢」「直線では前が開いてから、しっかりと抜けてくれた」と、2歳馬離れした同馬の走りを大絶賛。文字通り、“テン良し、中良し、しまい良し”のヴェルデ パチンコで、いつも慎重な松山騎手をもってして「相当、素質のある馬です」と言わしめた。
それだけに松山騎手としても継続して同馬に騎乗したかったはずだが、今回は新たなパートナーがヴェルデ パチンコに跨る。それが4年前にコントレイルと、9年前にはサトノクラウンとのコンビで、当レースを制しているR.ムーア騎手だ。
英国の名手が勝利に導いた2頭とヴェルデ パチンコに共通しているのは、いずれもキャリア1戦の馬であるという点。デビュー戦ですさまじい破壊力を見せつけたハーツクライ産駒が偉大な2頭に続く活躍を見せるためにも、ここは必勝態勢で臨むことになるだろう。
もう1頭のキャロットF所有馬は、モーリス産駒のヴェルデ パチンコ(牡2歳、美浦・武井亮厩舎)だ。
こちらは6月の東京芝1600mで、D.レーン騎手を背にデビュー。不良馬場の中、向正面で早め先頭に立つと、直線で後続との差をグングンと広げて、最後は9馬身差をつけて圧勝を収めた。
その後は4か月の間隔を空けて出世レースのサウジアラビアロイヤルC(G3)に出走し、ボンドガールに次ぐ2番人気に支持された。
初戦から一転、スタートでやや後手を踏むと、道中は中団後方を追走。出遅れを挽回した際に少し行きたがる面を見せ、鞍上のC.ルメール騎手が手綱を抑える場面もあった。
それでも4角手前で一気に加速し、残り400m辺りでは早くも先頭に並ぶ勢いでそのまま抜け出すかと思われた。しかし、逃げたレーヴジーニアルをなかなか交わせず、逆に残り200m辺りで大外から鋭く伸びてきたゴンバデカーブースに並ぶ間もなく交わされると、最後はボンドガールとの2着争いでも後れを取っている。
レース後には鞍上のルメール騎手が「この馬は勉強しないといけません」とダメ出し。「スタートから落ち着いていられたら、ベストパフォーマンスができる」と注文を付けた。
今回はムーア騎手と同じく短期免許で来日中のJ.モレイラ騎手に乗り替わるが、前走で学習した成果を生かすことができるかに注目だ。
2頭出しのキャロットFに対して、サンデーRは“3本の矢”で対抗する。